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暴力と不平等の人類史

 先月から卵の価格が1・5倍になっている。物価の優等生とまで言われているが、台風の影響で鶏に被害が出たからだそうです。主婦の話題みたいになっていますが、なにかが起こると社会や経済の動きに反映されていると実感する。

「暴力と不平等の人類史」ウォルター・シャイデル著
 元気がなくて、読書ができていなかったので読む。
 富の不平等化は人類初期からある。漢でローマで、アステカで、アフリカでとどの文化も逃れられていない。
 では人類史で平等化が起こったのはどこかというと、戦争と革命と崩壊と疫病。つまり巨大な暴力的な衝撃が起こった場合のみであるそうです。
 長いので、戦争の章だけ読む。当たり前だけど財産を持つ人は、それが法的に奪われそうになれば弁護士を使って抵抗し、強奪されそうになれば傭兵を雇ってでも阻止する。それを手放すというか手放させられるのは、戦争などの暴力や死によってのみであった。
 そこで富の再配分が起こっても、平和な時期には蓄積が起こって不平等が拡大する。いわば誰かや自分が死ぬ戦争か平和で開いていく格差か、どちらかしかなかった。
 そして今までの暴力による再配分は、今現在は核戦争にもつながって再配分どころではない。それ以外の道はないか、と著者は問いかけている。

 また、奴隷解放、人種間平等、女性の権利の拡大などは、近代のしかも総力戦から発生したと指摘されていた。
 近代の総力戦においては、奴隷や異人種も戦場に送り込まないと勝てないし、戦争にいったものたちの代わりに女性が労働をしないと社会が崩壊する。戦って働いているのに、権利がなく平等でもないなら、徴兵拒否に労働放棄をされる。そこで発言権が増し、権利が同等でないのはおかしいと社会全体が思うようになる。
 人類史において、権利や平等は支配者にお願いして与えられたことは一度としてない。戦い働き、社会に参加してその成員になることで勝ち取る以外にない。そしてたまたま誰かのお情けで与えられた権利や平等って、実は誰もそれを受けた人を尊重しない。
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