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手塚三箇条と限界

 テレビを見たら、手塚治虫さんのインタビュー映像がやっていました。
 漫画に必要なのは風刺と告発の精神で、読むものになにかを与えなくてはならないと言っていた。
 手塚さんが生きていた当時の初期は漫画に対して批判が多かったが、最終的には漫画があって当たり前で批判が弱いとした。批判に対して負けてたまるか、というのが手塚さんの原動力だったそうである。
 漫画が現実を風刺し告発し、また現実も漫画を風刺し告発する相互関係なのだろう。

 個人的には、手塚さんの漫画の描き方の本にあった三箇条を念頭に置いている。
 手塚さんはどんな問題を漫画で訴えてもいいが、基本的人権を茶化すなとして「戦争や災害の犠牲者をからかうようなこと」「特定の職業を見くだすようなこと」「民族や、国民、そして大衆をバカにするようなこと」はプロアマ、そして初めて漫画を描く人でもあっても表現としてやってはならない、とした。
 実はこれはなかなか難しい。現実にいる人間がなすようなことを描くと、必ず場面として出てくる。もちろん、手塚さんは悪そのものを描くな、ではなく全体として、または主人公が悪を肯定するなとしたのだろうと理解している。
 作者が善悪を完全に判断できるかというと、普通の人と同じようにどこかで悪をなし、表現してしまうことは避けられない。人類史上、誰一人として絶対の審判ができていないので、やはり作者もできない。
 だから、悪を肯定しないと念頭に置く、くらいが限界であろう。
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