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最近見たもの

「夜は短し歩けよ乙女」
 誰でも気づくだろうけど、平成版うる星やつらだった。
 うる星やつら式コメディセンスって、良くも悪くも現在にいたってなお創作物に影響を与えている。

「闇芝居」
 七期のCMで公式がやっているのを知る。五分番組だけど、ホラーは短編のほうがいいことが多いように思う。一期が一番怖かった。
 自分もホラーを一冊だけ書いたけど、実はホラーはあまり見ないです。そしてスプラッタも気持ち悪いので見ない。だって怖いじゃないですか! なお勉強のためには見ます。

「世界の闇図鑑」
 ホラー流れで見る。戦後の雑誌にあったSFホラー記事みたいな感じ。となると今の目からは怖いというより、そんなことあらへんやろ~となってしまう。

「人狼ゲーム ロストエデン」
 若い俳優さんたちの演技が、そのまま今時の子の感じ。記名制人狼ゲームの嫌さは、友達や恋人同士ですら、ランダム配役によって疑わないとならん所。
 現実の子供の世界の残酷さというのは、バカと無能と未熟さが原因だろう。だけど大人の世界も一部を除いてたいして変わらない。抜け出す方法は、強く賢くなって、バカの世界から出るしかない。
 そういう意味ではバカの世界から進学や就職で脱出できて救われる子供って、平均以上の半分だけではないかとすら思う。

「帰ってきたヒトラー」
 歴史にある焼身自殺の瞬間、ヒトラーが2014年の現代へと帰還。そっくりさんのコメディアンとして扱われていく。
 作中のユダヤ人老婆による、あの時代、最初はギャグだがそのうち多くの人が、そして国全体も本気となっていった、という指摘が怖い。そしてそうなっていく。
 そう考えると、創作物で歴史上の怪物を無害なおもちゃ扱いで出すのはちょっと無思慮かもしれない。

 ナポレオンとヒトラーという独裁者による災禍を反省し、欧米では選挙期間を長くし、互いに相手を罵り、醜聞を暴き、足を引っ張り合う。それをさせることで、候補者は単なる人であると、カリスマとしての独裁者が誕生しないようなシステムになっている。
 もし醜聞も失言も失態も間抜けさもない政治家や有名人がいたら、そう見せている段階で注意したほうがいい。瑕疵がない人間は存在しないのにそう演じるなら、崇拝を求めようとする手管だろうと思われる。
 また、なにかを絶対的に崇拝するファンや信徒が生まれさせないようなシステムが大事。なににも熱狂しない愛しない崇拝しない人生は味気ない。だけど、その味気無さに付け入られてしまうと、歴史にあるように本人の破綻と周囲へ不幸をまき散らす。本人の人生は本人が主役にならないといけない。
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優秀賞二作品刊行です

 私が審査員をさせていただいた、第13回小学館ライトノベル大賞で、優秀賞受賞「千歳くんはラムネ瓶のなか」著:裕夢さんと「リベンジャーズ・ハイ」著:呂暇郁夫さん、の両作品が本日同時発売となっております。それぞれ受賞時より大きく改善されていると思われます。どうなったのか、よろしくいただければ幸いです。



睡蓮の再現とAIとその先

 モネの作品で上半分が消失した絵「睡蓮 柳の反映」を修復していた。復元職人が頑張るが、上半分をAIに推測させて復元してみようという計画。
 AIは百万回のモネの学習で復元して、絵を作ってみせた。だが、絵の専門家たちからはどうも中央の池の黄色に違和感があると指摘される。そしてAIがどうしてこう推測したのかが分からないという、根本的な問題も示していた。
 専門家たちは、違和感の正体はAIが参考にした作品がモネの初期作品だからではないか、という指摘を出していた。
 そこで、絵の作成時期である晩年のモネの絵をAIに三百三十万回も学習させる。結果として、絵にあった黄色の色彩は青と紫となり、だいたいが納得できるものとなる。

 だが、できた絵はまだなにかが違う。原因はモネの筆遣いがまったく再現できないことだと判明。AIは写真の色として線と色合いを予測できるが、立体的なものまでは推測できなかった。
 そこで学芸員に模写をしてもらい、モネの筆致を真似て、推測を重ねる。モネのかすれの力の入れ方まで推測し、筆の動き500パターンを演算してAIが学習。
 同じく残った原画を科学的に解析して、絵具とその使用物質、配合を探す。モネは別の色を使っての七層の重ねにより、色の深みを出していたと判明。
 すべてをAIが取り込み、推測からの再現。本当に正確なのかはやはりAIのブラックボックスであるが、絵は専門家たちも納得する出来となっていた。
 天才画家の一枚の絵の予想復元だけで、とんでもない手間がかかる。だけど可能ではあるみたい。

 そして専門家が言ったように、AIの予測が最終的に正しいとしても、その間のプロセスが分からない、ってのはこれからの課題というか問題だと思える。現状ですら百万回の学習からの結論が、人間には理解しがたい。AIからの説明もされない。今回はたまたま専門家がなんとなく違うとして、間違いが分かった。
 これがいずれ億、兆、さらに上の回数の学習演算となってきてほぼ絶対の正解を出すようになっても、なんでそれが正解なのか、人間には分からなくなる。説明されても理解不能なほど膨大だと思われる。
 分からないから、人間が納得しないまま正解だけが出るという状態となる。となると、人は考えを放棄してAIに生活から投票からパートナー選びまで任せたほうが正解かつ幸せになる。最終的に、人って必要なの? となりそう。

 AIが人間と同じ思考になるかという問題もある。個人的には人間という炭素基盤の現物があるのに、別基盤で思考するAIは絶対にできない、とは考えにくい。シリコンにはできないというなら、炭素基盤である人間の脳を再現すればいい。時間が十年後か百年後か千年後かは分からないですが、文明が終わるか衰退をしてなければいずれできるでしょう。

 ただ、人間と同じ思考にはならない、というかしないように思う。上で示したように、人間に分からない正解をAIが出せるなら、わざわざ人間の不完全な思考をトレースする必要はない、と作る人も考えるんじゃなかろうか。
 またAIを人間が作る、というのも途中までではないかなーと思えます。いずれAIがより優れたAIを作る。そして作られたAIがさらに優れたAIを作り、という地点が発生する。そこから爆発的な進展が始まるだろうけど、どういう世界になるのか。
 ……という予想をまたAIに検証させてみる、ということもありそうである。

アタル兄さんの選択と作者の成長

 キン肉マン。ソルジャーことアタルが負傷したキン肉マンとのリアルマッスルブラザーズというタッグを選ばず、誰を選ぶのかと予想していた。
 鉄板なら超人血盟軍の誰かだけど、ないなとして、実力&因縁の納得枠で同じキン肉王家のネメシス、予想外枠でネプチューンマンとしていた。
 で、今週アタルが選んだのがブロッケンJrで見事に予想が外れた。
 善戦超人、万年未完の大器と言われて、本人の自己評価が低いブロッケンに、タッグでは個々の力より、もっとも俺を理解していて信頼できることが大事とするアタル兄さんの兄さんっぷりよ。
 始祖編の終わりに顕著だけど、作者の成長や円熟というのは、より高い倫理、より良い答えを出せることにある。これは珍しく断言したい。
 進化社会学でも、生物の種としての人間がそうであることと、人としてこれからどうするかは別であるとし、より上の合理性、足りなければさらに上の合理性と人の良き答えが続くことを示している。私には見つけられない答えも、他の、そして後の誰かがより良い答えを出してくれるはずである。その答えより良い答えをさらに別の後の誰かが見つけてくれるであろう。
 

内面が大事だ、とすると現れる別の地獄

『"不適性な人"を密かに排除する社会の到来 自由の名のもとに行われる「淘汰」』という記事もあった。

>婚活のマッチングサイトで、勤務先や年収だけではなく、歯並びや肌質まで問われることがある。採用選考で特定の疾患リスクをもつ人を排除しようと「不適性検査」を行う企業がある

 五、六年前に欧米で建前では不適正検査、詳細に調べれば人格に問題を持つ人、精神や発達障害を排除するための入社や入学テストが広がっていると指摘したが、日本にも広がってきている。もちろん企業や学校、婚活などは防衛のためであって、特定の疾患を差別するものではない、としているが、実際の検査項目を見るとまさにそれである。そして一項目でも大きな危険性がある、に引っかかると結果は大きなリスクと判定されるようである。

 現代社会は複雑になり、個人が起こす被害や損害が大きくなってきている。SNSの炎上、多数を巻き込む交通事故や通り魔事件、機密漏洩に背任などは、異常な個人が責任を取って終わり、では済まなくなってきている。所属する集団まで被害が及び、信用や資産に甚大な被害を出してしまう。

 本文にあるように、現代では他のなにより人間がリスクとなってきている。
 昔から、外面ではなく、内面が大事なんだというお題目がある。それはそれで美しい言葉だが、具体的に科学的に計量していくと、最終的には変えられない人間生来の資質や性格や人格が問われるようになる。
 社会は必要ゆえにどんどん個人の内心を計量してくる。そこで人間として何点と出てくる。それは心理学や社会学的に正確で、事実ゆえにとんでもなく重い計測となる。「あの人は一見乱暴だけど、本当は優しい人なんだ」みたいなふわふわ人物評かつ、人らしいなぁなぁ人物評も消えていってしまう。